ヨーロッパ周遊 ①エピローグ


あんなに寝るのが好きだったのに、最近はジャズミュージシャンらしからず

(いや、最近のジャズメンはお酒飲まないし皆礼儀正しいし清く正しいかも)

きっちり毎朝8:45には起床して、スッキリみて、がっちり行動しているワタクシ。


これを成長と呼ぶのか、加齢というのかわかりませんが

とにかく定期的にホームページ更新している!奇跡としか言えない。

仕事ないの?ご乱心なの?とお思いの方もいるかと思いますが安心してください。

私はいたって平常です。


今年の2月末から3月にかけて、社会人になって初めて2週間も休みをとり

ヨーロッパ周遊してきました。


ミュージシャンの旅行となると、沢山音楽を聴いてきたんだね!と仰る方もいますが

意外とそうでもありません。

まぁアメリカだったらそうするかもしれませんが、改めて伝統音楽やライブハウスを

梯子したりはしないもんです。

ウィーンにも行きましたがシーズンオフということもあり、クラシックも一切聴きませんでした。

どちらかというと音楽から離れて、改めて音楽の尊さを知る、と言ったところでしょうか。

実際音楽から離れることで、すごく愛おしくなったり、新曲ができたりするもんです。


今回の旅行で改めて感じたのは、私が行った国々では、BGMとしての音楽はほとんどありませんでした。

日本ではレストラン、病院、スーパー、駅...等ほとんどの場所で何かしら音楽が流れてますよね。

「無音」を恐れるからなのでしょうか。日本人は無口だから?

今まで、そんなこと疑問にも思いませんでしたが、改めて音楽のあり方を考えさせられました。

音楽とは「聴くもの」であり、空気のように「あたりまえに存在するもの」ではないのです。


とは言え、日本で音楽家として生きていく上で、私もレストランや結婚式、パーティー等でBGMの演奏をすることもあります。

そんなときに私自身が「今日はBGMだから」と、何かライブと一線をおいて

空気を読むというか、手を抜くというか、なるべく主張しないようにと

知らず知らず割り切ってしまってました。

仕事を始めた頃は、どんな環境であれ演奏することが嬉しくて楽しくて、

一人でも聴いてくれてる人がいるかもしれないと信じながら

純粋に演奏していたなぁと思います。

国が違えば価値も違う。

けれども一種のあきらめのような物を、いかなる理由でも演者が持ってはいけないのだと

改めて背筋が伸びる気持ちです。


やりたくない仕事はやめればいいし、受けたのなら全力で。

今回の旅行で、音楽に対してそんな事を感じたのでした。





写真はモーツァルトが生まれ育った町、オーストリアのザルツブルク。

市内は城壁で囲まれ、岩塩によって栄えた町。

標高500mの、町のどこからでも見えるホーエンザルツブルグ城(1077年建造)に寄った帰り道

ひっそりと佇む夕暮れの町の遠くには青く美しい山々が見渡せる。

ここには幼少期に一度来ています。

なぜか涙が出るくらい美しい町なのです。




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